“巨鯨”の影響力
ただ、郵政3社は今回の売り出しで約1兆4000億円を市場から調達する。14年に国内の新規上場企業80社が調達した約1兆円を大きく上回る規模で、“巨鯨”に例えられる。市場への影響は軽視できない。
投資家が、保有する別の銘柄を売却して資金をつくり、郵政3社の株式購入に充てる「換金売り」が短期的に株価を下押しするとの懸念もその一つだ。日経平均株価が約半月ぶりに終値で300円を超す下落幅となった今月14日、市場で「換金売りが出始めたのでは」とささやかれた。
これに対し、日証協の稲野会長は21日の会見で「郵政3社の上場が市場全体に重しとなって悪影響を与えるという見方は、杞憂(きゆう)に終わるのではないか。市場には十分な買い付け余力がある」との見方を示した。
「株式投資を始める人が増えれば、日本の資本市場が活性化する」。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストはこう強調する。NTT以来28年ぶりとなる大型上場の成否は日本株の行方を左右する。
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最後の巨大官業、日本郵政グループ3社の株式上場まで半月を切った。親子3社の同時上場、3社合計の時価総額は13兆円規模など、前例のない大型の新規株式公開(IPO)を政官民が固唾をのんで見守る。市場を重視するアベノミクスの試金石ともいえる郵政上場の“前夜”を追う。