日本郵政グループ3社の株式の売り出し価格が出そろった。いずれも、仮条件として示された値幅の上限で決まり、投資家の根強い需要を反映した。市場関係者の間では、株価に対する年間の配当金の割合を示す「配当利回り」の高さや割安感に注目が集まる一方、成長性をどう高めるかが課題になるとの声が多い。
「配当利回りが比較的高い上、割安感がある」。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは郵政3社の株式としての強みをこう語る。配当利回りとは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す指標だ。売り出し価格をもとに計算した年間ベースの配当利回りは、ゆうちょ銀行が3・45%、かんぽ生命保険は2・55%と、東証1部の平均配当利回り(1%台後半)と比べ高い。
ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「3社の株式は、上場後の初値は売り出し価格を上回るだろう。売り出し価格で購入した投資家にとっては、上場後も実質的に高い配当利回りを見込めるのでは」と話す。その上で「かつての電力会社の株式のように、資産として長期保有するのに適した『資産株』として子や孫の世代まで持ってもらえる効果が期待できる」と話す。