一方、市場関係者が一様に課題として挙げるのが、企業としての成長性だ。松井証券の窪田氏は「国内市場は少子高齢化に見舞われるなど、業績を伸ばしていく余地が限られている点がネックだ」と指摘する。
収益拡大に向けて企業買収や他社との提携、新規事業強化など、攻めの経営が欠かせない。日本郵政傘下の日本郵便は5月に豪州物流大手のトール・ホールディングスの買収が完了、国際物流事業の強化に乗り出した。ゆうちょ銀は三井住友信託銀行や野村ホールディングスと個人向け資産運用で共同出資会社をつくり来年2月に営業を始める。
「市場は成長性を期待しにくいとみているが、上場によって企業として大きく変わる可能性がある」との見方を示すのはSBI証券の藤本誠之シニアマーケットアナリスト。郵政3社と同じく民営化案件で、平成6年に上場した日本たばこ産業(JT)は、買収を軸に海外のたばこ事業を強化してグローバル企業の仲間入りを果たした。市場から高い評価を得られるような成長戦略を具現化できるかが問われることになる。