大阪市阿倍野区のシャープ本社【拡大】
2月4日の記者会見で高橋興三社長は、支援に名乗り出た鴻海と産業革新機構との協議の前提を語っている。特に「シャープが100年を超す会社のDNAを残しながら、将来にわたって成長していくためには、カンパニー(事業)ごとに分解するのはお互いにマイナスだ」と、両者に説いたという。
産業革新機構を抑えてシャープに買収を受け入れさせた鴻海は「経営の独立性」維持を約束した。高橋社長にとっては満額回答を得た格好である。だが本当に、そうなるのだろうか。シャープの発表には、具体的な保証措置は見当たらない。それどころか矛盾がある。
シャープが開示した内容で鴻海が正式に契約を結び、第三者割当増資を引き受ければ、鴻海は株主総会での議決権の約66%を握り「親会社」になる。2017年7月以降、議決権のつかない優先株も議決権のある普通株に替えられ、鴻海の有する議決権は約70%に高まる。