大阪市阿倍野区のシャープ本社【拡大】
開示資料には、取締役13人のうち9人または取締役の総数の3分2超を、鴻海の指名に従って選任するのに必要な「株主総会及び種類株主総会の承認決議を得るよう最大限努力する」とある。
鴻海側が取締役会で多数派になれば代表取締役や社長を選べる。約66%の議決権があれば、取締役、監査役の選任、取締役の解任などができる。約70%を握ると、定款の変更や合併、事業の譲渡、監査役の解任などが可能になる。鴻海は絶対的な権限を持つので、シャープの「経営の独立性」は名目だけのものにならざるを得ない。
現在も同社は直接金融で資金調達する能力を失い、銀行に生殺与奪の権を握られている。自立的な経営判断ができる状態とはとても言えない。銀行に改めて金融支援を求める産業革新機構案を退けて、銀行に新たな負担をかけない鴻海の提案を受け入れたのは当然ともいえる。