
高圧縮比と低圧縮比のディーゼルエンジンの比較(図1)【拡大】
今回の国土交通省による路上走行試験は、このマツダの開発活動がムダではなかったことを証明している。
こうしたマツダ独自のディーゼルエンジン開発にあたって、最大の難関は何だったのか? この質問に対して寺沢からの答えはこうだった。
「本当にそんな低圧縮のディーゼルがものになるのか? と疑ったエンジニアが社内にはたくさんいましたよ。無理もないと思います。それだけに、そうした既成の意識との戦いが最も厳しいでしたね」
革新的な開発のカギは、意識改革にある。
マツダのディーゼルエンジン、SKYACTIV-Dもその意識改革の産物のひとつだろう。
(文中敬称略)
(ジャーナリスト 宮本喜一=文)(PRESIDENT Online)