
3月24日、ニューヨーク国際自動車ショーで、マツダの「ロードスター」が「2016年世界カー・オブ・ザ・イヤー」とデザイン部門の「世界カーデザイン・オブ・ザ・イヤー」を同時受賞という史上初の快挙を成し遂げた。【拡大】
両者(車)とも誕生と同時に世界的な評価を得て、ともにグローバル・カーとしての立場を確立していった。発売されたのが同じ年、1989年、というのも偶然の一致とは言い切れない何か因縁のようなものを感じてしまうのは、筆者だけだろうか。というのも、昨年このロードスターが発売されるわずか1週間前の5月13日、トヨタとマツダの両社は業務提携に合意したことを発表しているのだから。
マツダのクルマづくりの考えがわかるデザイン
初代ロードスターの発売から四半世紀あまり、本年4月22日、ロードスターの生産累計はついに100万台を突破した。1989年の生産開始以来、27年間で積み上げてきた数字だ。名実ともに“グローバル・カー”と呼ばれる資格十分だ。とはいえ、今回の受賞には、このグローバル・カーに新しい勲章がもうひとつ加わった、というだけでは終わらない、もっと重要な意味があるのだ。
それは、今回のロードスターの受賞によって、マツダが、独自技術のスカイアクティブを核としてこの数年(とくにスカイアクティブの第1号車CX-5を発売した2012年2月以降)展開してきたブランド戦略が成功をおさめ、さらにそれを次の段階に移行できる状況をつくりだしている、この事実が国際的、客観的に証明されたことが、マツダにとって非常に重要なのではないか。