なぜ「ロードスター」はこれほど愛されるのか 「セルシオ」との因縁も感じる (7/8ページ)

2016.5.8 17:14

3月24日、ニューヨーク国際自動車ショーで、マツダの「ロードスター」が「2016年世界カー・オブ・ザ・イヤー」とデザイン部門の「世界カーデザイン・オブ・ザ・イヤー」を同時受賞という史上初の快挙を成し遂げた。
3月24日、ニューヨーク国際自動車ショーで、マツダの「ロードスター」が「2016年世界カー・オブ・ザ・イヤー」とデザイン部門の「世界カーデザイン・オブ・ザ・イヤー」を同時受賞という史上初の快挙を成し遂げた。【拡大】

 つまり、スカイアクティブを核としたマツダ特有の“走り”の、将来を見据えた方向性を明確に表現する、これがロードスターのデザインに与えられた課題だった。これができれば、言うまでもなく、“ガラパゴス”からの完全な脱出が完成する。

 制約のおかげでロードスターのデザインが完成

 中山は次のように言った。

 「人馬一体を標榜するマツダ車としての統一感を、単なるグラフィックの面で追求するのではなく、ボディー全体のいわば“体形”で表現しようと心がけ、それに邁進したのです」

 たとえばラジエーターグリルの形をモデル間で類似にするといった単なる“見た目”の統一感を演出する、といった手法はとらない。それよりも、全体の骨格や体形といった全体的総合的な造形によってマツダの走りを表現し、マツダ車の総体的な統一感を演出し表現する、という意味だろう。

 言い換えれば、セダンやSUVといった乗用車のカテゴリーが違い、またエンジンの排気量やボディーの大きさが異なっても、マツダのバッジがついたモデルなら、道路上を走っているその姿をひと目見ただけで「マツダ車だ」と認識され、静止時にもその走りが予感されるデザインを彼らは目ざすことになる。

しかも、もともとはロードスターの個性とされた“人馬一体”が…

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