MRJは米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)の最新エンジンを搭載し、従来機よりも燃費性能が2割程度高く、低騒音というのが売りだった。
だが、E2シリーズもP&Wの最新エンジンを採用し、MRJの優位性は低くなっている。それでも、三菱航空機の岸信夫副社長は「機体設計などから燃費性能は4~5%高い」とMRJの競争力を強調する。
今後20年で、100席以下のリージョナルジェット市場は約5000機の需要があるとされ、三菱航空機は半数以上の受注獲得を目指している。燃費性能はE2シリーズより高いとみられるが、最大の課題は18年の納期を守れるかどうかになってきた。
納入は4度延期
MRJは半世紀ぶりの国産旅客機開発のため、計画は大幅に遅れ、初納入の予定は4度も延期されている。昨年10月にようやく初飛行を成功させたが、その2カ月後の12月には主翼の強度不足やソフトウエアの改良などで初納入が17年4~6月から1年程度遅れると発表した。