■連載/ヨシムラヒロムの勝手に宣伝部長
「今年の夏は暑いらしい」
6月に入るとお袋が毎年言うフレーズである。実際問題、2016年の夏は暑いらしく、確かに事務所のクーラー6月下旬から稼働している。そんな暑い日々で、食べたくなるのが冷たいもの。街の中華料理店の店先で揺れる「冷やし中華はじめました」の旗を見ると、居ても立っても居られない。
冷やし中華と云えば、最近読んだ「タモリと戦後ニッポン」という新書に面白いことが書かれていたので、ひとつ。

1975年1月、タモリと親交のあったジャズミュージシャン山下洋輔が蕎麦屋で飲んでいた。急に冷やし中華が食べたくなり注文したところ「冬場なのでやってない」とのこと。「どうして冬に冷やし中華を食べてはいかんのだ」と怒りを抱いた山下は、こうした状況と戦うべく『全日本冷やし中華愛好会(通称:全冷中)』を結成。タモリ、赤塚不二夫も会員となり、冷やし中華の解放に動き始める。そのブームは加速し、77年にはよみうりホールで「冷し中華祭り」という大きなイベントも開催。1つの議題を、センスの良い人達がいじくりまわす。良き時代の洒落た遊びである。