高速増殖炉「もんじゅ」の存廃、政治判断へ 再稼働なら数千億円 (2/2ページ)

2016.8.30 05:00

高速増殖炉もんじゅ=福井県敦賀市
高速増殖炉もんじゅ=福井県敦賀市【拡大】

 文科省などによると、もんじゅの原子炉内の燃料は長期停止で変質しており、再稼働する場合、新たな燃料に交換する必要もある。政府試算には新燃料の製造費用や、茨城県東海村にある燃料の製造工場を新基準に対応させる工事費なども織り込んでいる。

 維持管理は年間約200億円かかり、研究計画によると、フル出力までの6年間の運転で1000億円超。燃料の製造工場を新基準に対応させる工事費にも1000億円近くかかるとみられ、もんじゅ本体の新基準への対応費も含めると数千億円規模に上る可能性が高い。タービンなど、古くなった設備の交換費もかかる。

 一方で、原子力機構はもんじゅを廃炉にするには30年間で約3000億円が必要との試算を2012年にまとめており、存続、廃炉いずれの場合も多額の負担が必至となる。

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