
ウーバーのシステムを活用した京丹後市の「ささえ合い交通」。手にしたタブレット端末のアプリで女性が配車を依頼すると、自家用車が到着した。こうした取り組みを広げることができるか=5月、京都府京丹後市【拡大】
ここで、米国で使われるビジネスの脚本を誤って使おうとすれば、見事に失敗する。当局に勝負を挑んだり、差し止め命令を求めて裁判を起こしたり、情報開示を拒んだり、世論に現行法が時代遅れだと訴えてキャンペーンを展開したりしてもうまくいかないどころか、CEOのキャリアさえ棒に振りかねない。
ウーバージャパンは、昨年福岡で「みんなのUber」と題したライドシェアの検証プログラムを始めたが、国土交通省から道路運送法に抵触する懸念があるとして行政指導が下され、1カ月で終了している。国交省の担当者はインタビューで、「再三説明を求めたが返答がなかった」「プロジェクト開始から半月以上経過してから契約書が提出された」「納得できる対応や説明がない」と述べている。
今年に入ってからは、ようやく5月に京丹後市で「ささえ合い交通」なる過疎地域の利便性を高めるサービスを始めるなどの動きが見え始めたウーバーだが、消費者を巻き込むことができたとしてもそれだけでは不十分な可能性がある。
(3)ウーバーの戦略は既に周知の事実
ウーバーの利用が米国で拡大したのは、操業当初、ウーバーが規制当局にまったくマークされていなかったからだ。規制当局が、事業が良い意味でも悪い意味でもいかに破壊的か理解したころには、ウーバーは既にまとまりのない小さなスタートアップではなかった。人気と資金のあるロビイング団体に膨れ上がっていたのだ。
しかし、日本や諸外国の行政機関は今やウーバーがどんなシナリオを描いて動いてくるのか、その手の内を知り、素早く対応している。ただ、米国でもこのやり方はすでに通用しなくなっていると私は思う。