
銀座でポケモン探し=東京都中央区【拡大】
「サンクコスト効果」については、「今まで使った時間、今までの自分のがんばり」を無駄にしたくない心理を挙げ、「保有効果」では、「図鑑を保有している、自分が身に着けた技術を保有している」といった具合に、ポケモンのコレクション性やトレーニングによる強化といった蓄積を挙げた。「同調効果」は、人気を受けて「周囲が始めたことや世界中で流行っていること」があると指摘。大勢がハマるソーシャルゲームと同じ理由が、「ポケモンGO」にもあるようだ。
加えて「ポケモンGO」では、「歩けば増えていく位置情報ゲームとしての特長」が、「損失回避」という意識を動かし、大勢の人の関心を引きつける。歩いているとポケモンが見つかり、コレクションに加えられる。そのうちに、歩いて「ポケモンGO」をやらないことが損になっていると感じて、歩き続けるようになる。
「ボール投げのモチーフ、昆虫を捕まえる行為が人の心理を深掘りする」ことも。子どもの頃に楽しんだキャッチボールや昆虫採集。その思い出を呼び起こし、のめり込ませる。これを、行動経済学でいう「可能性ヒューリスティクス」だと橋本氏は指摘する。「貯蔵した記憶から、使えそうな事例を思い浮かべて判断する」心理。「『ポケモンGO』の行動が、昆虫採集の楽しい記憶と重なる」という訳だ。