
マツダが8月25日に発売した旗艦車「アテンザ」の改良モデルも車両制御技術「GVC」を採用している【拡大】
例えば、ハンドルを切ったら、トルクを落として横方向に振られる加速度(G)を縦方向に逃して運転手らの身体の揺れを減らす。疲労が軽減されるうえ、進行方向を決める前輪に荷重がかかるので曲がりやすくもなる。開発した操安性能開発部シニア・スペシャリストの梅津大輔氏は「(クルマが人の一部になる)人馬一体を目指して開発した」と話す。
操作に対して身構えにくい自動運転でも疲労を減らす効果が期待でき、幅広い活用が見込まれる。ただ、効果を実感するのは「GVCのないクルマと乗り比べてもらわないと難しい」(関係者)。幹部も「マツダ流の地味な技術」と自嘲気味に語る。
GVCは、マツダが開発する「スカイアクティブ」技術の新境地だ。走りと環境・安全性能の両立を目指し、エンジンや変速機、プラットフォーム(車台)に加え、足回りもゼロから見直す。原点回帰の結果、ハイブリッドなど先端技術に依存せず、エンジンの圧縮比を高めて低燃費を実現するなど基本性能を徹底的に高めている。