
マツダが8月25日に発売した旗艦車「アテンザ」の改良モデルも車両制御技術「GVC」を採用している【拡大】
スカイアクティブを採用した新世代商品は2012年のスポーツ用多目的車(SUV)「CX-5」を皮切りに、旗艦車「アテンザ」、スポーツ車「デミオ」などに幅広く拡大し、昨年11月末まで約4年間に累計300万台を突破。16年3月期は営業利益が前期比12%増の2267億円、世界販売は10%増の153万台といずれも過去最高を記録した。為替変動の影響が424億円の減益要因になったが、販売の好調でカバーしている。
マツダを原点回帰に向かわせたのは、これまでの危機の歴史だ。1967年に世界初の量産ロータリーエンジンを搭載した「コスモスポーツ」を発売。おむすび型のローター(回転子)を気筒の中で回し、吸気、圧縮、爆発の工程を繰り返して動力を生むエンジンは、通常のエンジンに比べて小型で出力が高く、スポーツ車「RX-7」など人気車種を生んだ。
一時はマイクロバスなどにも搭載を広げたが、73年の石油ショックなどで燃費の悪さが敬遠され、業績が悪化した。アクセラの前身とされる小型車「ファミリア」のヒットなどで乗り切るが、バブル期には販売系列を「アンフィニ」「ユーノス」など5チャンネルまで広げる過剰投資が裏目に出て、米フォード・モーターに支援を求めた。