
G7交通相会合の官民対話に臨む石井国交相(左)とトヨタ自動車の伊勢清貴専務役員=24日午前、長野県軽井沢町【拡大】
同行筋は「技術革新を後押しするという点で各国が一致した」と強調する。だが、採択された宣言にはG7が一枚岩になりきれなかった限界もにじむ。
2025年に世界全体で5兆円の付加価値を生み出すとされる自動運転技術は「世界各国の関連企業がしのぎを削る激戦市場」(大手自動車メーカー)。G7各国はライバル同士で、車両規格の国際標準化では主導権争いが始まっている。
実情を反映し、宣言では日欧が主導する国連での議論進(しん)捗(ちょく)に対する表現を「歓迎」ではなく「確認」にとどめており、今後は基準作りを議論する作業部会でも、各国間の激しい綱引きが予想される。
老朽インフラ対応をめぐる宣言で、メンテナンス投資の重要性が、新規インフラの必要性と両論併記となったのも、「経済発展=新規投資」というG7各国の成功体験が手足を縛っている証左だ。
交通分野におけるG7の協力構築に向けて、ひとまず「方向性を示した」(石井氏)。山積する課題を解決していけるかは、各国が“お家事情”にとらわれず協調できるかにかかっている。(佐久間修志)