
ウェスチングハウス・エレクトリックが米ジョージア州で建設中の原子力発電所【拡大】
遅延の背景にはAP1000で強化した「モジュール生産方式」があるとされる。格納容器など、原発の構造物を協力企業の工場で分割生産し、現地で組み立てるという手法だ。WHは「工期短縮や品質向上につながる」としてきた。しかし現在建設中の4原発では、工場からの納入遅れが問題化している。
20年の空白
こうした納入遅れの背景には、1979年のスリーマイル島原発事故を機に米国で原発の新設計画が途絶えたことがある。原発に詳しいウィスコンシン大学のトッド・アレン教授らは「現在、AP1000の建設に関わる企業は実際に原発を作った経験があるわけではない。また、原発建設で働いた経験があるエンジニアや作業員もとっくに引退している」と指摘する。
現在米国で運転中の原発100基のうち、テネシー州のワッツバー原発2号機は2015年10月に運転免許が下り、16年から営業運転を始めたばかりだ。しかしその次に新しい原発は96年に運転を始めた同原発1号機で、米国の原発建設には20年もの長い空白期間があったことになる。