
ウェスチングハウス・エレクトリックが米ジョージア州で建設中の原子力発電所【拡大】
長いブランクにより、WHの技術力が損なわれたとの指摘も少なくない。
技術の劣化
WHが南部サウスカロライナ州で建設中のV・Cサマー原発2、3号機。関係者によると、原子炉格納容器の設置に向けた作業で、ある作業員が土台のコンクリートに穴を開けようとした場所に障害物があったため、30センチ程度ずれた場所にチョークで目印を描いた。実際に穴を開ける場所と目印は離れていることを、交代した作業員に引き継がなかったため、間違った場所に穴を開けてしまった。そうした単純なミスが多いという。
WHの工事が難航している原因について東芝は、東京電力福島第1原発事故で米国でも規制が強化されたためと説明した。だが、長い間、原発建設の仕事がなく技術が劣化した。「福島事故がなくても状況は変わらなかった」(政府関係者)との指摘は根強い。