「イカは交接・産卵すると雌雄とも死んでしまいます」
だから、そう長くは生きられないはずだという。平衡石のリング数から年齢を推定する手段もあるが、大型個体で調べられた例はないそうだ。
生活史そのものが解明されていない。漂着雌の体内から見つかる卵は、直径1~2ミリと巨体に似合わず小さい。おそらく海面を漂いながら孵化(ふか)するのだろうが、海洋調査でダイオウイカの卵や子供が採集された例はない。ウナギより、もっと分かっていないのだ。
姿形の謎も深い。生息海域によって腕の長さや太さ、体形などに違いがあり、ダイオウイカには、これまで18種の学名が存在した。
ところが、である。世界の海から集めたダイオウイカのミトコンドリアDNAの全塩基配列を解読したところ、ほとんど違いはなかったのだ。