1、3号機の水素爆発の仕組み【拡大】
52項目の分析結果をつなぎ合わせれば、技術的に目視できない中での原子炉内部の状態把握に役立つほか、他の原発でも過酷事故(シビアアクシデント)を想定した安全対策を向上させることができる。
水素爆発した1、3号機では、圧力容器内で燃料を包む「ジルコニウム」という金属製の被覆管が熱せられ、水と化学反応したことで水素が発生。水素は格納容器外の建屋上部にたまったとみられる。逃げ場を失った水素に何らかのきっかけで発火し爆発。着火源は静電気の可能性があるが、分かっていない。
事故時に発生した水素の濃度や量も不明で、52項目の未解明事項の一つとして調査が進められている。
2号機も同じ経過をたどったが、先に爆発した1号機の振動で偶然、建屋上部の窓がはずれ落ちたため、水素が外部に逃げて爆発を免れたとみられている。