5年以上絶食した「ダイオウグソクムシ」 死因は「餓死」ではなかった… (4/5ページ)

2014.3.13 10:06

ダイオウグソクムシの標本を手にする飼育員の森滝丈也さん=鳥羽市

ダイオウグソクムシの標本を手にする飼育員の森滝丈也さん=鳥羽市【拡大】

  • 「No.1」の体内から見つかった酵母様真菌の顕微鏡写真(鳥羽水族館提供)
  • 鳥羽水族館で飼育中のダイオウグソクムシ。No.1の死でさらに謎が深まった=鳥羽市

 真菌について森滝さんは「初めて見るもので、まったく正体が分からない」と話す。ただ寿命との関係よりもまず、絶食との関わりあいに注目し、「体内でどのように作用していたのか」を解明したいという。

 No.1から採取した消化管内部の液体は、健康診断で採取した血液などを分析する三重県伊勢市内の臨床検査センターにも送り検査した。その絶食の偉業が長寿と関係するなど、大きな発見につながる可能性も期待されたが、結局、検査で液体の正体は分からなかった。

 ダイオウグソクムシは約10年前に「変な生き物」ブームで脚光を浴びるまで見向きもされなかった。この生物に関する論文は海外に数件しかなく、いずれも何を食べたかという胃の内容物などを記しているだけで生態の詳しい研究は進んでいない。

 ただ同水族館ではNo.1以外のダイオウグソクムシでも絶食が観察されており、No.5という個体は絶食期間1年3カ月で、No.1に代わって現在記録を持つ。このことから、一般的にダイオウグソクムシは絶食に強いとみられる。

ダイオウグソクムシは、もともと食が細い生き物

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