人気の期限切れ総菜
一斉摘発前、これらの露店は夜が明けた早朝、営業を始めていた。
客の大半は日雇い労働者や路上生活者だ。彼らが仕事へ向かう前の時間帯から路上に新聞紙やブルーシートを広げ、商品を陳列。夏場のピークは午前6時ごろ。一般住民の人通りが多くなる同8時すぎに閉店する。中には女性店主の姿もあった。
店には通常、わいせつDVDだけでなく、一般映画の海賊版DVD、コピーの疑いが強いブランド品のバッグ・時計などが並ぶ。病院を受診した生活保護受給者が横流しした可能性が高い湿布や睡眠薬も売られ、いずれも数百円単位で出回っている。かつては「泥棒市」とまで揶揄(やゆ)された。
とりわけ客が買い求めるのは、賞味期限切れのコンビニ総菜だ。それらを売る露店には毎朝、多くの客がむらがっている。露天商はコンビニで売れ残り、廃棄するしかない食料品を独自のルートで入手し、半値以下の価格で提供しているというのだ。