姫路の“廃虚モノレール”が脚光浴びる まるで古代遺跡…解体工事にファン殺到 (2/6ページ)

2016.10.16 07:12

姫路モノレール運行当時の高尾ビル。大将軍駅がビル内部に設置されていた(姫路市提供)
姫路モノレール運行当時の高尾ビル。大将軍駅がビル内部に設置されていた(姫路市提供)【拡大】

  • 手柄山駅を発車する開業直後の姫路モノレール(姫路市提供)
  • 運行当時の姫路モノレールと大将軍駅が入っていた高尾ビル(姫路市提供)
  • 当時の国鉄や私鉄の線路の上を通過するモノレール。最小の用地で立体交差が可能な点も導入を後押しした(姫路市提供)
  • モノレールや高速道路が循環する姫路市の未来を表現した立体模型。姫路大博覧会で展示された(姫路市提供)
  • 米ロッキード社の航空機製造技術が取り入れられた姫路モノレールの車両。姫路市の手柄山交流ステーションで展示されている
  • 今も姫路市内に残る姫路モノレールの軌道の一部と橋脚。活用を模索する動きが出ている
  • 高尾ビル解体の前に、8月に行われた大将軍駅の最後の一般公開。700人の定員に対し9000人超の申し込みがあった=姫路市高尾町
  • 8月に行われた一般公開で大将軍駅の改札口付近を撮影する参加者=姫路市高尾町
  • 大将軍駅が入っていた高尾ビル。解体作業が進んでいる=10月5日、姫路市高尾町
  • 手柄山交流ステーションに保存されている姫路モノレールの車内=姫路市西延末
  • 大将軍駅が入っていた高尾ビル。解体作業が進んでいる=兵庫県姫路市高尾町

 いまの時代から見ても、無謀とも思える計画だが、構想したのは現在の市長、石見利勝氏の父で、終戦直後の21年から42年まで同市長を務めた元秀氏(故人)だった。市長就任以降、姫路駅と姫路城を結ぶ幅50メートルにおよぶ道路「大手前通り」を整備するなど、今の姫路の都市基盤形成に大きな役割を果たした人物だ。

交通問題解決へ…壮大なプラン

 市によると、元秀氏がモノレール導入計画を具現化させるために動き出したのは30年代後半。このころ、乗用車の普及が進み、渋滞や事故など交通問題が深刻化し始めた時期だった。人口も右肩上がりで増加した時代で、交通問題の解決を迫られていた。

 市に残された当時の資料には「モノレールは最小の用地で立体交差が可能な一番安い大量輸送機関」との記載が残る。住宅やビルが密集し、増え続ける人口…。当時は地上を鉄道が走り、踏切での事故も多発しており、交通問題の効率的な解決方法が、モノレールの導入だったとしている。

 姫路大博覧会では、高架道路とモノレールが循環する姫路の未来像を表現した立体模型が展示され、交通渋滞解消への市の構想の一端が示された。

 「当時の記録フィルムによると、石見元秀市長はモノレールが市民に受け入れられれば南は臨海工業地帯、北は姫路城まで路線を延ばし、ゆくゆくは豊岡、舞鶴方面とも接続させる構想を明かしています」

壮大な構想は現実の高い壁にいきなり直面することに

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