M&Aコンサルタント・山口揚平氏に聞く
■【方程式7】「投資をしながらもうけられる企業」は強い
企業の状態を知るために効果的なのが、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローをまとめた「キャッシュフロー・マトリクス」を見ることです。
営業キャッシュフロー(稼ぎ)が多く、投資キャッシュフロー(投資)がマイナスになっている(投資にお金をかけることができている)のが健全な状態で、企業としては安定期です。しかし、投資をしなくなり、それまでに投資したものを手放すようになれば投資キャッシュフローがプラスに転じます。こうなると、企業は停滞期に入ります。そして投資を行えていないために稼ぎも増えていかず、営業キャッシュフローがマイナスになっていく。つまり後退期に入ります。プラスに転じるためには投資をしなければならず…という繰り返しが起こっていくわけです。こうした、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローがマトリクス上のどのポジションにいるかを見ていけば、企業の状態がわかり、今後の動きも推測することができるのです。
キャッシュフロー・マトリクスを簡単に見られる専門サイトもありますが、四季報や財務三表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)などを見て、自分で調べることも難しくはありません。さらにもっと詳しく企業の内情を見たい場合は、投資の内訳を確認してみるのもいいでしょう。投資には、「メンテナンス投資」「開発投資」「純投資」の3つがありますが、そのうち、工場などの設備環境や規模拡大のための土地・建物購入といった「開発投資」にどれくらい投資しているかに注目してみると、より今後の伸びを予測しやすくなります。