■【方程式8】「業界になっていない業界」「新陳代謝を起こしそうな業界」の2つが伸びる
業界と呼ばれるものが完成するまでに、一般的には50年くらいかかると言われています。最初の10年くらいで、もやもやしたものが業界としてまとまっていき、その後10年から30年くらいかけて広く認知されていき、そこからさらに10年くらいかけて成熟、そして新陳代謝が始まると言われています。伸びる可能性が高いのは、例えば「携帯電話でできるゲーム」のような、まだ業界名が定まっていない業界。そして、誰もが名前を知っている一方で、新陳代謝を求められているような「製紙」「鉄鋼」「テレビ」などの業界。この2つです。
成長や再生のきっかけをつくるのが「イノベーション」です。イノベーションとは、「同じことを10分の1のコストでできるようになる」もしくは「同じコストで10倍価値のあることができるようになる」ことだと言われています。今後10年を見据えて、いずれ業界を生み出しそうなイノベーションがどこに起こりそうか、もしくはすでに完成された業界において、新陳代謝を促すイノベーションがどこに起こりそうかに注目してみてください。
■【方程式9】「大多数の人々の欲求を満たせる」企業が成長する
ファストファッションと、高級ファッションブランドは、どちらも「衣料品業界」という括りで見られています。ファストファッションの商品は、今や多くの人にとって日常生活の一部になっていて、あって当たり前の、簡単に購入できるものになっています。一方、高級ファッションブランドの洋服は、「寒さをしのぐ」ために買う衣料品というよりは、「自己表現」や「社会的欲求を満たす」といった側面が多いと言われています。つまり、それぞれは別の価値観に合わせて商品を提供しているわけで、そもそも同じ業界という括りで語ることに無理があるのです。