記憶に残る父の言葉…自律なきは「易きに流れる」 古関正裕さん (3/4ページ)

2014.2.8 16:22

 大学では数学科に進み、卒業後、新聞社に就職。オンライン情報システムの設計などに取り組んだ。「今まで誰もやったことのない仕事で、新しいことができ、充実していた。どんな人にも役割があり、社会を変える力がある。父も文具や機械いじりなどいろいろなことが好きだった。子供にも『何かをやれ』と強制することはなかった」

 記憶に残る裕而さんの言葉は「悪貨は良貨を駆逐する」「朱に交われば赤くなる」。「自分を厳しく律しなければ『人は易(やす)きに流れる』。親父は、人間は弱いという視点をいつも持っていたと思う。ただ、とことん話し合ったり、ぶつかり合ったりしたことがない。心の中を知りたかった。今、それが残念です」

 裕而さんの楽曲で、今もラジオから流れる「ひるのいこい」のテーマ曲。のどかな田園風景と悠久の歴史、小さな幸せを大切にしながら日々を営む人々の笑顔が浮かぶ。思いは全て曲に詰まっている。(村島有紀)

この年になって親父の曲を歌い継ぐなんて自分でもびっくり

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