□日立製作所執行役常務・御手洗尚樹氏
■ベア実施「楽観できない」
--春闘にどのような姿勢で臨んでいるのか
「安倍政権の下で円高是正などが進み、事業を成長軌道に乗せていく環境は整いつつある。(2014年3月期の)業績は過去最高の営業利益になる見通しで、従業員にもどう還元するか考えたい」
--労働組合は5年ぶりにベアを要求している
「従業員への還元という点では賞与があるし、ベアも一つの選択肢だ。経営や従業員、景気、それぞれに対する功罪を踏まえながら検討したい」
--ベア実施の環境は整っているのか
「経済や物価動向を考えるとベアも選択肢に入る状況だが、経営へのインパクトや国際競争力も大事だ。賃金は国際的に高い水準にある。新興国経済のリスクもあり、楽観できない」
--労組が要求した4000円のベアの評価は
「高い低いというつもりはないが、ベアは残業代や社会保険料にはね返る部分がある。(要求を受け入れると)日立単体で年間20億円ぐらいのコスト増になる」
--グローバル化を加速する中で、賃金交渉のあり方も変わっていくのか
「課長以上のマネジャーは仕事のパフォーマンスを反映させる形にしたい。工場など現場の人は経験が蓄積されていく部分もあり、今のやり方がいい」