「アジアの星物語」【拡大】
プレアデス星団にもさまざまな伝説がある。太平洋諸島では、この星団の現象や時期により1年が始まるという。
星の神話・伝説を読みながら、地域性の違いや共通点を見つけていくのも楽しいし、巻末に記載された古代アジアの宇宙観と天文学の解説にも興味をひかれるはず。
最後に笑い転げたバリ島の伝説を少しだけ紹介したい。
面倒くさがりやで食い意地のはった妻の話。巨大な鰻(うなぎ)を料理するように言われた妻は、面倒なので、仮病で寝込む。仕方がないので夫が美味(おい)しい鰻スープを作る。その味の虜(とりこ)になった妻は、ついに鍋に頭をつっこんで、鍋底をぺろぺろ。ところが、鍋から頭が抜けなくなってしまった。「助けて!鍋が私にかみついた!」。妻の運命はいかに? 西洋では「かんむり座」と呼ばれる星座は、バリ島では「ビンタン・パンチ」、これは、「鍋の星」という意味だそうだ。(海部宣男監修、「アジアの星」国際編集委員会編集、柿田紀子&川本光子訳/万葉舎・本体1900円+税)
評・光丘真理(作家)