循環器疾患専門で、健診や診療に40年近くかかわってきた桑島理事長は、働き盛りの中高年で脳卒中や心筋梗塞で突然死したり後遺症となったりした人を多く診てきた。その多くが高血圧が指摘されていたにもかかわらず、病院を受診しなかった人たちだ。
桑島理事長は「新基準値をめぐる誤った報道は、根拠なく『自分は大丈夫』と考え、健診で異常を指摘されても治療しようとしない中高年の健康過信を助長する可能性がある。予防医学の視点から科学的根拠に基づいた正確な報道をしてほしい」と訴えている。
人間ドック学会は今月、理事会を開き、新基準値を今後、健診にどのように生かすか検討する。
■高血圧・動脈硬化の2学会も見解
新基準値の報道をめぐっては、2学会が次のような見解を発表している。
日本高血圧学会「高血圧の判定基準は140/90以上。血圧が高くなるほど脳卒中や心筋梗塞などの罹患(りかん)リスクや死亡リスクが高くなり、高血圧を治療することで心血管病の発症は減ることが確認されている」
日本動脈硬化学会「高LDL(悪玉)コレステロール血症の診断基準値140以上などの設定は、ただちに薬物治療が必要なことを意味しているわけではなく、生活習慣の改善が必要な数値」