今井教授も同様の仮説を立て、「食事の際、野菜を先に食べることで血糖上昇が緩やかになっているので、間食はその効果の残っている午後0時半に食べた方が良いと思っていた」という。だが、これまでの常識を覆す結果となり、「間食は食事時間と切り離した『分食』にする方が良いことが示された」と語る。
動脈硬化に影響
食後の血糖値が異常に高まると、糖尿病を招くだけでなく、心筋梗塞や脳卒中のリスクともなる。血糖の変動幅も大きい場合は動脈硬化を進行させるだけでなく、最近では認知機能の低下を引き起こすとのデータも出ている。
今回の研究は、糖尿病患者がどうしても菓子を断ち切れない場合の最適な時間を調べるのが目的だったが、「メタボや糖尿病予備軍の人は夕食後の間食も控え、間食を取るのなら夕食時よりも午後3時台に一本化した方が良い」と今井教授はアドバイスする。
同研究は、昨年9月の欧州糖尿病学会(スペイン)で先行発表。一つのデータにすぎないとの側面もあるものの、間食の時間帯と血糖値の関係を示す新研究として注目を集めた。