「勝運をつかむ」【拡大】
本書のタイトルは、勝負に携わる者ならだれでも気になるフレーズである。私は大学の講義で「知的ゲーミング演習」「遊戯文化史」を担当し、学生に囲碁・将棋・バックギャモンの実技や歴史を教える一方、アマチュアとして将棋大会にも参加するので、運を味方にする方法があるなら知りたいと強く思う。
理論的には囲碁や将棋といった「二人零和有限確定完全情報ゲーム」は盤上の技術が勝敗を分ける。しかし現実はどうか。達人のメッセージからは、日常の積み重ねのわずかな違いが運につながってくることを教えられる。2人の「言葉の対局」は知的ゲームを趣味とするプレーヤーだけでなく、勝負事には縁のないと思っている人たちの生き方のヒントにもなるだろう。(致知出版社・本体1200円+税)
評・古作登(大阪商業大アミューズメント産業研究所主任研究員)