厚生労働省は「1割負担の人が2割になっても、利用料は2倍になるわけではない」と理解を求める。介護保険には、自己負担が一定限度を超えたときに、負担額が頭打ちになる「高額介護サービス費」があるためだ。
頭打ちになる額は一般的な課税所得の人で3万7200円。所得の高い人には4万4400円のカテゴリーが設けられる予定。仮に要介護5で限度額いっぱいのサービスを使う人が2割負担になっても、自己負担は7万円ではなく、4万4400円か3万7200円になる見通し。詳細はケアマネジャーに相談したい。
功さんは「とりあえず、2割負担でないと分かってほっとした」と言う。胸をなでおろしつつ、「負担が上がるのは仕方ない。保険料は上げてもいいが、利用料は上げてほしくない。一番心配なのは費用のこと。状態が悪いときに支払う利用料が上がるのは不安が大きい」と話している。
■配偶者課税なら施設利用料は増
恵子さんの負担割合が変わらないことに安堵(あんど)した功さんだが、気がかりはある。仮に恵子さんが施設入所をした場合、費用は上がる見通しになったからだ。