人生後期に発病する遺伝性腎臓病「ADPKD」 進行遅らせる世界初の治療薬 (3/3ページ)

2014.7.13 17:58

 山地さんも35、36歳の頃、「多発性嚢胞腎」と診断された。しかし、「良性でがん化しない」とだけ説明を受けた。腎臓が大きくなることや、将来、腎不全になることを知らないまま過ごしたことへの疑問はぬぐえないままだ。

 「当時は遺伝性の病気と知られていなかったと思う。人生の後期に発症する病気は、生まれつきの病気とは別の悩みがある。子供の結婚や出産にも影響し、家族にも病気を知らせていない人もいる。治療法ができたことで腎臓が悪くても普通の生活が送れるなら前向きに病気と向き合える人が増えるはず」と話している。

【用語解説】常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)

 両親のどちらかがADPKDの場合、50%の確率で遺伝する。男女差はない。日本には約3万人、欧州には約20万人、米国には約12万人の患者がいるとされる。主な症状は、倦怠感(けんたいかん)や食欲低下、高カリウム血症などの腎不全症状のほか、血尿やおなかの痛み、おなか回りが大きくなるなど。肝臓に嚢胞ができる合併症や高血圧、尿路結石、くも膜下出血なども発症しやすい。厚生労働省進行性腎障害調査研究班の治療指針によると、30、40代までは無症状で、加齢によって両方の腎臓に嚢胞が増え、少しずつ肥大化。同じ家系であっても進行度はそれぞれ異なるが、70歳までに約半数が末期の腎不全になる。診断は超音波やCT(コンピューター断層撮影装置)などの画像検査で行い、遺伝子検査は行わない。

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