安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」で国内市場が活気づくなか、子供に金銭感覚や資産形成などを教える「金融経済教育」のニーズが高まっている。少額投資非課税制度(NISA)の導入を機に未来の投資家の裾野を広げたい日本証券業協会も、教員による研究会の運営や学校への出前授業で支援する。中学生による課外活動での資産運用をテーマにした漫画「インベスターZ」も話題になるが、お金の話をタブー視する風潮が根強い日本の教育現場では理解が追いついていないのが実情だ。(石川有紀)
新産業の担い手を
「成長戦略で日本経済は本当に良くなるのでしょうか。今のままでは子供たちに将来の夢を育むことができない…」
11月に大阪市内で開かれた金融経済教育教員交流研究会。講師の信州大学経済学部の真壁昭夫教授が「アベノミクスの次なる展開」をテーマに講演した後、参加した教員から質問が寄せられた。
続いて、アベノミクスの先行きやデフレが長引いてきた要因などの質問が次々と飛び出し、会場は熱気に包まれた。