■不動産が「負の遺産」にも
今年から相続税の基礎控除が引き下げられ、相続税対策に関心を持つ人が増えている。ただ、目先の節税や不動産の相続にとらわれ過ぎると家族がもめる原因になることもある。介護や終末期医療など相続の前後に起きやすい問題も含め、生前から家族で話し合い、意思統一しておくことが大切だ。(兼松康)
2次相続まで見据え
「相続税対策のセミナーでは、初歩的な質問をする人が減り、詳しい人が多くなった」と話すのは、野村信託銀行資産承継サービス部の水谷督部長だ。ただ、「節税対策にとらわれ過ぎると、家族でもめる原因になり、本来の遺産相続の考え方から外れてしまうこともある」と水谷部長は指摘する。
例えば、夫が先に亡くなり、その遺産を妻と子供らが受け継ぐ「1次相続」と、その後、妻が亡くなり、子供らが相続する「2次相続」。
配偶者である妻が相続する場合は、取得した財産が「法定相続分相当額以下」または「1億6千万円以下」のどちらか多い方までなら、相続税がかからない「配偶者の税額軽減」がある。