「その地域のゴミをみれば、住民の質がわかる」 清掃員の目から見た“ゴミの地政学” (1/7ページ)

 「その地域のゴミをみれば、住民の質がわかる」。ゴミ収集会社で働くお笑い芸人の滝沢秀一さんは、そう力説する。たとえば貧困地域に多いのは、酒とタバコのゴミ。一方、金持ち地域に多いゴミは健康器具。また、ゴミ出しのマナーなどにも、その傾向はあらわれているという--。

※写真はイメージです(Getty Images)

※写真はイメージです(Getty Images)

 世田谷区では直接ゴミを渡される

 引っ越し先を探す時、その地域の「住みやすさ」をどう判断するだろうか。ひとつのおすすめは、その地域の「ゴミ捨て場」に目を向けてみることだ。

 お笑いコンビ・マシンガンズの滝沢秀一さんは、ツイッターにこうした『ゴミ清掃員の日常』と題した投稿を繰り返している。マシンガンズは2000年代後半頃、高速のしゃべりで世への不満をぶちまけるスタイルの漫才で、ネタ番組に出演するようになった。だが家庭を持ちながらお笑い一本で食べていくのは難しいそうで、ツッコミ担当の滝沢さんは現在、都内のゴミ収集会社で正社員として働いている。

(PRESIDENT Onlineより)

(PRESIDENT Onlineより)

 今回はそんな滝沢さんに、ゴミ清掃員の目から見た“住みやすい地域/住みにくい地域”について聞いた。滝沢さんは、ゴミ捨て場の様子を幾度となく見ることによって、以前はわからなかった各地域の特徴がわかるようになったと語る。

 「世田谷区には『住みやすい』というイメージがありますが、ゴミ収集の仕事をしていても、それは確かです。世田谷区に行くと、そのタイミングで主婦とおぼしき女性の方々が家からわらわらと出てきて、ゴミを直接渡してくるんですよ。おそらく収集車の音を聞いて出てくるんだと思います。全般的に専業主婦が多いんでしょうね」

ゴミ収集所から住民が見える