「その地域のゴミをみれば、住民の質がわかる」 清掃員の目から見た“ゴミの地政学” (2/7ページ)

 ゴミ収集所から住民が見える

 「ゴミ収集車の音を気にして生活できるというのは、余裕がある証拠だと思います。ほかにも、災害時に使えるように土嚢が置いてある集積所なんかは自治体がちゃんとしているイメージです。主婦の方が集まっていて、ゴミ集積所もキレイなことが多いですね」

 ゴミ集積所を見れば、自治体の姿勢や地元住人たちの結びつき、自治意識も透けて見えるというわけだ。では逆に、住みにくそうな場所もわかるのだろうか?

 「住みにくそうな地域名を具体的に挙げるのは、さすがに勘弁してください。ただ、治安が悪そうな場所としてよく取り上げられるような地域は、やっぱりゴミ集積所が汚かったり、なんでもないところにゴミがいっぱい捨てられていたりすることは多いです」

ゴミ収集会社で働くマシンガンズ・滝沢さん(PRESIDENT Onlineより)

ゴミ収集会社で働くマシンガンズ・滝沢さん(PRESIDENT Onlineより)

 特に顕著なのが、ゴミの出し方といったルールが守られているかどうか。ゴミの出し方ひとつをとっても、その地域の傾向があらわれるのだという。

 「自治体や周りの主婦がちゃんとしている地域では、ペットボトルゴミのラベルをはがしてくれていることが多いです。主婦同士で情報交換しているからか、分別の知識や時間の余裕があることがわかります。ネコの餌の缶詰は夏場にはとても臭くなるんですが、それもしっかり洗ってくれています」

「若者が集まる街では、分別のルールがなっていないことが多い」