実際、米印共同演習は過去10年に60回以上。米空軍のF-15と中国海空軍も有する印空軍のSU-30(開発はロシア)系の両国戦闘機が、毎年空中戦に臨んでいる。
武器取引も迅速かつ目覚ましい。米空軍の輸送機C-17をインドは《5年も経ずして、国際入札もなしに、購入を決めた》。2011年からは米空軍の戦術輸送機C-130Jの導入を始めたため《印空軍の輸送機部隊は間もなく米国製一色となる》。5月以降《初の海外ユーザーとなる米海軍のP-8対潜哨戒機8機》の引き渡しも開始。さらに《印空軍の今後3~5年間の最優先事業》として米陸軍の攻撃ヘリコプターAH-64D(アパッチ)22機や大型輸送ヘリCH-47F(チヌーク)15機の導入を指摘した。
三角外交での中国優位
しかも《米国がインドに売り込む兵器の技術水準は相当高く、同盟国向けと同水準》と断じる。反面《中国とパキスタンの軍事的結び付きを防ぐべく、米国の対パキスタン武器輸出は厳格な審査規定を適用。中国人の米国製兵器接近を禁ずる》。注目すべきは、米軍による《弾道ミサイル防衛に関する技術協力の可能性》にまで言及した点。米軍は《中国西部に展開する第二砲兵(戦略ミサイル)軍が配備する、弾道ミサイルとレーダー網の監視にはインドが適地》だとみているのだ。