ウイグル問題で首相豹変
それ以外にも訳がある。アルメニア人やクルド人の弾圧で過去、欧米は非難を繰り返し、その度に対土兵器輸出を制限/中止した。実際、米国製多連装ロケットシステムのライセンス国産は1988年、一旦合意に至ったが、技術移転への警戒感に加え人権問題も障害となり禁輸が決まる。その後の97年、技術・資金面で魅力的条件を示した中国と国産契約が妥結した。制裁の度に兵器・部品供給が滞れば、トルコは自国の安全が保障できない。FD-2000の対土供与も、情報開示を伴う国産契約を餌に、トルコの足下を見透かした中国の常套(じょうとう)商法だった。
性能で中国より、価格で西側より勝るロシアの支援による国内生産はというと、こちらもまた限界を伴う。オスマン帝国時代の1568~1918年まで12回にわたり戦争を繰り返しており、依然、仮想敵国なのだ。
トルコは兵器以外の輸入も増やし続け、中国は輸入先3位。一方、中国は土国内の鉄道整備に2010年、3兆円の貸し付けを表明し、ユーラシア大陸を横断するシルクロードを、鉄道に替える構想まで描く。中国の狙いは、海上封鎖されてもエネルギー資源を運搬できるバイパスに使える点や、中央アジアへの影響力強化にある。中国側起点は新疆(しんきょう)ウイグル自治区(東トルキスタン)が有力候補だが、トルコの姿勢には唖然(あぜん)とさせられる。