以降、陸自戦車の命名は制式採用年の数字が充てられるが、61式が2000年まで40年近くも現役で、自衛隊史にも刻まれている現実には驚かされる。自衛隊や防衛産業の少ない予算に加え、整備や部品供給維持の労苦がうかがえる。
待ってはくれぬ進化
ところが採用時には既に、主要戦車保有国は第二世代の採用へと移っていた。74式の開発が早くも64年に始まったのは、こうした時流があった。
第三世代戦車の開発着手も77年と、待ってはくれなかった。74式は第二世代としては主要国に並ぶ性能ではあったが、戦車開発は第三世代を迎えていた。自衛隊が後手後手になる次世代戦車開発の時間差を埋め、米軍はじめ世界の専門家をも唸らせる最高水準の最新鋭戦車を有するには、第三世代・90(きゅうまる)式の登場を待たねばならなかった。
しかし、その90式をはるかに凌駕(りょうが)した戦車が10式。▽最新の情報処理システム(C4I=指揮・統制・通信・コンピューター・情報)により、友軍戦車などと相互に敵味方情報を共有→任務分担▽ナノテクノロジー技術を用い、炭素繊維やセラミックスなど複合装甲による軽量化=機動性向上の一方、防護力も強化▽スラローム=蛇行走行中でも射撃精度をさらにアップさせるなど、最高度の射撃統制(照準)装置に連動した軽量戦車砲と高威力弾薬の併用による攻撃・機動力増強…等等。