「首相、会議に参加すると表明してください」
甘利明(あまり・あきら)TPP担当相は10月上旬、前回の閣僚会合が開かれたバリ島から安倍首相の携帯電話を鳴らした。交渉を仕切る米通商代表部(USTR)のフロマン代表が、閣僚会合に続く首脳会合にオバマ大統領が欠席することを突然通告したからだ。
他の参加国に困惑が広がった。甘利氏が「各国首脳は出席するのか?」と聞くと、「無理」というジェスチャーが返ってきた。交渉妥結に向けた機運はしぼみかねなかったが、フロマン氏は素知らぬ顔。そこで甘利氏は安倍首相の出席をいち早く約束し、各国首脳が出席しやすい環境をつくろうとした。
執拗な全廃圧力
だが、日本にとっての難敵は、その米国だった。菅義偉(すが・よしひで)官房長官は今月(12月)1日、甘利氏や林芳正(はやし・よしまさ)農林水産相とともに、来日したフロマン氏と都内のホテルでテーブルを囲んだ。関税全廃を求めるフロマン氏に対し、菅氏はこう反論した。