シンガポールで開かれていた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は12月10日、「交渉完了に向けて協議を継続する」との声明をまとめ閉幕し、年内の交渉妥結を断念した。参加12カ国は来年1月に再び閣僚会合を開き、関税や知的財産など難航分野の合意を目指す。日本が関税維持を求めた農業の重要5分野の扱いも結論を持ち越した。
米通商代表部(USTR)のフロマン代表は会合後の記者会見で「包括的な高水準の協定という目標に一歩近づいた」と述べた。同様に閣僚声明も「12カ国は主要課題の潜在的な着地点を見極めた」と強調した。
だが、具体的な合意分野には言及しなかった。また、記者会見の閣僚発言や声明で、次に交渉妥結を目指す時期の目標は明示されなかった。
閣僚会合では、焦点となった関税の撤廃・削減や知的財産、国有企業改革などの難航分野について、閣僚による政治決着が期待された。だが、各国の意見の隔たりは埋まっていない。