結論先送りの最大の要因は、米国の強硬姿勢だ。関税とともに協議が難航した国有企業改革では、米国が補助金の削減などを提案した。これに対し、マレーシアのジャヤシリ首席交渉官は会見で「柔軟性という形でわれわれの懸念に対応してほしい」と自国企業への優遇策が必要な国内事情に理解を訴えた。
米通商代表部(USTR)のフロマン代表は「バランスのとれた協定になるよう努力した」と強調したが、参加国には「海外進出で利益を得る自国企業の利益しか考えていない」(通商筋)と不信感が強い。
会合前は年内妥結を優先する米国が「最後は譲歩する」(日本政府関係者)との見方もあった。だが、日米協議では西村康稔(やすとし)内閣府副大臣が「柔軟性を示してほしい」と繰り返し訴えたが、「米国の姿勢に大きな変化なかった」(交渉関係者)という。日本の西村副大臣は「これだけ議論しても立場や意見の違う部分がある」と4日間の議論を振り返った。
交渉参加12カ国は次回の閣僚会合を約1カ月後という異例のペースで開き、早期妥結を目指す。ニュージーランドのグローサー貿易相は「交渉の勢いは加速していく」と述べた。だが、妥結の目標時期は明言せず、交渉に向けた各国の“勢い”は失われつつある。