もっとも韓国は、周辺事態法が成立するや、今ほどヒステリックではないにせよ、過去の心配などなかったように懸念を示した。周辺事態法は政府解釈を踏まえると、おおよそ次の対米軍任務を可能にする。
(1)給水・給油・食事提供(2)武装将兵を含む人員や、武器・弾薬を含む物品の輸送(3)兵器修理・整備や整備用機器提供(3)医療・衛生器具提供(4)日本の通信設備の利用/通信機器提供(5)航空機の離着陸・艦艇の出入港支援(6)廃棄物の収集・処理/給電(7)米軍航空機・艦艇乗員らの捜索・救難-など。
ただし、活動は戦闘の行われない地域に限られる。米軍艦艇が公海上で、北朝鮮軍の潜水艇の待ち伏せや高速ボートによる体当たり攻撃に遭った場合、近くを航行する自衛隊の艦艇や航空機がいかに対潜能力に優れようと、周辺事態法では米軍艦艇の援護もできない。
集団的自衛権の解釈が変更されれば、北朝鮮軍による米軍への攻撃を同盟国への攻撃と見なし、自衛隊は米軍とともに反撃できるようになる。在韓米軍の実戦部隊は陸軍だけで、海軍も海兵隊も緒戦においては日本に在る米軍兵力から急派される。