朝鮮戦争(1950~53年休戦)で反撃に転じられたのも、日本占領のため駐留していた米陸軍4個師団を急遽(きゅうきょ)展開させたからだった。朝鮮半島に渡る米軍兵力を、自衛隊航空機・艦艇で護衛するには、集団的自衛権の解釈変更が不可欠といえる。
自衛隊との戦争を想定?
ところで、在韓米軍はこれまで、北朝鮮軍にだけ備えていればよかった。それが、米国の財政悪化や戦略転換で、沖縄の米軍のように他地域での緊急事態にも備えるべく、任務内容が変化し始めた。
米軍が新任務を完遂するには、集団的自衛権を行使できる自衛隊による米軍支援。そして、韓国軍が北朝鮮軍に対する対抗兵器を充実させ、士気・錬度向上を図ることが前提となる。だが、韓国軍の兵器体系は自衛隊との戦争を想定しているかのよう。士気・錬度ともに低い。米国(軍)にとり、北朝鮮(軍)よりも、日本(自衛隊)に敵意が向く韓国が、日米韓安全保障の破壊者として次第にお荷物になっている。