ここで、佐々木さんはじめ、料理人の面々の包丁さばきを眼前で眺めながら、最高の食材を使った料理の数々を楽しむわけだが、食事はお客さんがみんな集まってから同時スタートするというスタイルを取っており、カウンター席ならではの臨場感と、こうした形態が生みだす作り手とお客さんとの間で生まれる心地よい一体感はまさに食のエンターテインメント。佐々木さんの軽妙なトークも雰囲気を盛り上げる。
「ふぐ」ならぬ「ふく」
佐々木さんに、正月を感じる逸品を作っていただいた。まずは先附。「お正月なので福。だからふぐではなくてふくですね」(佐々木さん)という「ふくの湯引き」と「ふく白子すり流し色紙柚子」。
薄塩で昆布締めして湯引きしたふくはポン酢ではなくイクラの塩味でいただく。食感が絶妙なすり流しとともに素材の持ち味をシンプルに追究している。
続いてお正月を祝う意味のお祝は「唐墨(からすみ)餅」。新年らしいお餅に自家製の唐墨が入った珍しいものだ。お膳の向こう側にお造りなどを盛るお向は海の幸で「とろの寿司 鯛 車海老 寒鰤 あしらい」。