会見後報道陣に囲まれる、経団連の宮原耕治経営労働政策委員長(左端)=2014年1月15日、東京都千代田区大手町の経団連会館(寺河内美奈撮影)【拡大】
2社の動きに関連し、日本証券業協会の稲野和利会長は「一時報酬かベアかは別にして、証券界が雇用者報酬の引き上げに向けて動いていけば、それにこしたことはない」と評価する。
金融業界以外にも、NTT労働組合が07年以来7年ぶりに平均3000円のベアを要求する方針。流通業界でも、コンビニエンスストア大手ローソンの新浪剛史最高経営責任者(CEO)が子育て世帯などを対象に、年収の2~3%相当分にあたる賃上げに取り組む方針を表明している。
ただ、この動きが業界上位以外の企業や、中堅・中小企業に浸透するかは不透明だ。金融業界でも、地方銀行の主な取引先となる中小企業の業績が改善しはじめたばかりで、銀行が率先して賃上げに動くのは容易ではない。
福岡銀行の谷正明頭取は15日開かれた全国地方銀行協会の定例会見で、ベアの判断基準のひとつに地元企業の賃金の相場を挙げた上で、「ベアは考えていないわけではないが、具体的には決めていない」と表明。業績改善で先行する大企業を取引先とする大手行とは異なる事情をにじませた。(SANKEI EXPRESS)