中国の主要都市【拡大】
中国ロックの創始者とされるミュージシャン、崔健(さい・けん)氏(52)が1月17日、春節(旧正月)前の大みそか(1月30日)に中国国営中央テレビ(CCTV)が放送する国民的大型番組「春節聯歓晩会(れんかんばんかい)」への出演を辞退した。初めて出演依頼を受けた崔氏は番組で、1989年の天安門事件の際に民主化を要求した学生たちの間で人気があった代表曲「一無所有」(邦題「俺には何もない」)を歌うことを希望したが、歌詞を修正するか別の曲を歌うよう求められたことが辞退の理由だ。「ロックの父」が番組に登場するか注目されたが、結局辞退となり、中国のネット上では称賛と失望が入り交じり反応は複雑だ。
視聴率アップ狙い
「春晩(しゅんばん)」の略称で親しまれる春節聯歓晩会は1983年から放送が始まり、日本での「紅白歌合戦」に相当する5時間の国民的番組。毎年7億人以上の中国人が視聴するとされる。歌だけではなく、マジックやコントなどのさまざまな演目があり、紅組と白組に分かれておらず、勝敗はつけない点が紅白とは異なる。日本からも、2010年には「モーニング娘。」、12年にSMAP、13年にはEXILEのATSUSHIが出演し、中国語で歌を披露した。