中国の主要都市【拡大】
ただ、かつては80%以上といわれた視聴率も最近では低落気味で、ここ数年は40%を割っていた。そこで今回、CCTVが番組の目玉として白羽の矢を立てたのが、若者に人気があり、かつて反体制のメッセージを歌詞ににじませた崔健氏で、今月(1月)初めに番組への招待状を送った。
当局が活動警戒
崔氏が1986年に発表した「一無所有」は、毛沢東の死去(76年)後に成人となった世代の希望と不安を歌詞に託し、古典的共産主義の終焉(しゅうえん)をも暗示した歌で、天安門事件の際に民主化を要求した学生らの「愛唱歌」となった。崔氏自身も当時、天安門広場に姿を現し、学生たちの前で「一無所有」を歌っている。
このため、民主化運動の弾圧後、中国当局は崔氏のコンサート活動を警戒。崔氏は大型コンサートの開催を2003年まで認められなかった。その後、崔氏は政治色を徐々に薄め、活動の場を広げてきた。