衆院本会議で施政方針演説を行う安倍晋三(しんぞう)首相=2014年1月24日午後、国会(三尾郁恵撮影)【拡大】
通常国会が閉会する6月22日は今年の折り返しと重なる。会期中に政府・与党として集団的自衛権の行使容認に向けて何もしなければ、さらに来年に先送りとなる可能性もある。
「今の時代はスピードが大切で、ぼやかした形では時間がかかる。歯切れ良く、やらなければならないことはきちんと言って、その代わり国民の理解を得て決めていく」
首相は政治の進め方について、産経新聞元日付で掲載した作詞家、秋元康氏(55)との対談で、こう熱く語っていた。首相は閣議決定で解釈見直しを行う方針だが、公明党の反対を押し切る形だと政権は大いに揺らぐ。実現できないと、首相を支持してきた人たちの期待が落胆に変わりかねない。
長年の課題と向き合う
演説では、沖縄への配慮も目立った。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古への移設を進める決意を強調した上で、「沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、『できることは全て行う』との姿勢で取り組む」と基地負担軽減への努力を誓った。
同時に、沖縄を「21世紀のアジアの架け橋」「21世紀の成長モデル」と持ち上げ、2021年度まで毎年3000億円台の予算確保を強調した。